歯周病の症状進行と治療法について
歯周病とは
歯周病は、歯と歯茎の間にある歯周ポケットの中に細菌が侵入することで症状が悪化する病気です。初期症状は歯茎からの出血や歯肉の腫れですが、日常生活に支障をきたすわけではなく、多くの患者さまは放置してしまいます。
しかし、症状が進行していくと最終的には歯が抜けてしまう恐ろしい病気ですので注意が必要です。歯科医院へ来院される患者さまの多くは、歯がぐらついてきて食事がしにくくなった方が多いです。
歯周病の原因
歯周病は細菌が関係することがわかっています。では、細菌が歯周ポケット内へ入り込む原因はどのようなものがあるでしょうか。
歯磨き不足
一番の原因は歯磨き不足です。毎日3回歯磨きをしていても、歯周ポケットに効果的な歯磨きの仕方をしなければ意味がありません。歯磨きの仕方や治療法については後述で紹介しています。
歯の破折
歯が何らかの理由で割れてしまった場合、その割れている部分から歯周ポケット内へと細菌が侵入することがあります。歯周病の発症リスクは歯磨きだけでなく歯の一部が歯周ポケットと交通するだけでも高まります。
歯の複雑な形
歯の中でも奥歯は二股に根っこが分かれていることがあります。歯周病が進行していき歯茎が下がっていくと、二股になっている部分が露出していきます。複雑な形態をしていると清掃性が悪くなるので歯周病が治りにくくなってしまうのです。
症状の進行
歯周病になっているかどうかを検査するにはレントゲン撮影も有効ですが、プローブという器具を使用して歯周ポケット検査を行います。歯周ポケット検査では歯周ポケットがどれほどの深さになっているかで進行程度を測定します。
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正常または初期
歯周ポケットの深さが1mm〜2mmとは、正常もしくは初期状態のことをいいます。解剖学的に1mm〜2mm程度歯周ポケットは深さがあり、歯肉に軽い発赤や腫れが見られれば初期段階の歯周病です。
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中期
歯周ポケットの深さが2mm〜3mm程度は中期の歯周病です。歯磨きをした際に歯茎からの出血や腫れが顕著にみられます。
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重度
歯周ポケットは4mm〜あると重度歯周病です。4mm以上の歯周ポケットがあると歯が動揺する・口臭がする・歯茎から排膿が見られるなどの症状があります。
歯周病の治療法
歯周病の治療法は症状によって異なります。初期症状で適用する順に治療法を紹介していきます。
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ブラッシング指導
歯周病に罹患している患者さまの多くは、適切な歯磨きができていません。そこで、歯周ポケットに効果を示す正しいブラッシングの方法をお教えいたします。
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PMTC
歯の表面にバイオフィルムが形成されていると、歯磨きを頑張っても取れない汚れが出てきます。専用の機械でバイオフィルムを除去して口腔内を清潔に保ちます。
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スケーリング・ルートプレーニング
歯石が歯についていると、歯周病が進行するきっかけになってしまいます。歯石を除去して歯をツルツルにします。
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咬合調整
噛み合わせが強い場合や不規則な場合、歯に負担がかかってしまい歯周病が進行しやすいです。適切な噛み合わせになるよう調整をします。
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歯周外科治療
ここまでの治療で効果が見られない場合は、歯周外科治療を行います。外科治療なので手術を行い、歯茎の移植や顎骨を再生させるなどの処置を行います。